インターネットの接続が不安定だったり、Wi-Fiの電波が届かなかったりして不便に感じたことはありませんか。ルーターから別のルーターに接続することで、こうした悩みを解決し、快適なネット環境を手に入れることができます。
一方で、不適切な接続方法だと通信速度が遅くなったり、接続できないといった失敗や後悔につながるリスクがあることも事実です。この記事では、ルーター同士を繋ぐとどうなるのか、その接続方法や、接続することでできること、さらに接続するメリットとデメリット、接続する注意点や接続したあとの再起動の重要性までを解説します。
無線接続や有線接続のどちらを検討している方にも、ルーターを複数台使う際の正しい接続方法を理解し、ストレスなくインターネットを利用できるよう、詳しくご説明します。
・ルーターを複数台接続するメリットとデメリット
・ルーター同士の直列・並列接続の具体的な方法
・ルーター接続時に起こりやすい問題とその対策
・Wi-Fiの通信範囲を広げたり接続台数を増やしたりする方法
ルーター から ルーターの接続で広がる快適なネット環境

複数のルーターを接続することでできること

ルーターを複数台接続することで、主に以下の3つのことが可能になります。
まず、Wi-Fiの電波が届く範囲を拡張できます。一つのルーターだけでは電波が届きにくい大きな家や複数階の建物では、Wi-Fiのデッドゾーンが発生しがちです。別のルーターを増設し、中継器として機能させることで、電波の届く範囲を効果的に広げられます。これにより、家中のどこにいても安定したWi-Fi接続が可能になります。
次に、接続できるデバイスの数を増やすことができます。スマートフォンやタブレット、スマート家電など、ネットワークに接続するデバイスの数は年々増えています。一台のルーターでは同時接続数に限界があるため、ルーターを追加することで、同時に接続できるデバイス数を増やすことが可能です。
最後に、ネットワーク全体の通信負荷を分散させ、通信速度の安定化を図ることができます。利用者が多い家庭では、一台のルーターに接続が集中すると通信速度が低下しやすくなります。複数のルーターを設置することで、それぞれのルーターにかかる負担を軽減し、全体的な通信の安定性を向上させることができます。
複数台繋ぐとどうなるか?メリットとデメリット

複数のルーターを接続すると、メリットとデメリットの両方が生じます。これらを理解した上で、導入を検討することが重要です。
まず、メリットとしてWi-Fiの接続範囲と接続台数の拡大が挙げられます。前述の通り、これはデッドゾーンの解消や、より多くのデバイスを接続可能にするために非常に有効です。また、セキュリティ面でも、ルーターを二重に活用することで、より安全なインターネット接続が可能になります。
一方で、デメリットも複数存在します。まず、ルーターの設定が複雑になることがあります。特に、2台目のルーターを適切に設定しないと、通信速度の低下や接続不良を引き起こす「二重ルーター」の状態に陥るリスクがあります。この状態ではIPアドレスが重複し、一部のコンテンツにアクセスできなくなることもあります。
さらに、ルーター同士が近すぎると電波干渉を起こし、通信が不安定になることがあります。これは、Wi-Fiと同じ周波数帯を使用する他の電子機器と同様の現象です。また、当然ながらルーターを2台購入するため、余計な費用がかかることもデメリットと言えます。
ルーターを接続するメリット

ルーターを接続する最大のメリットは、Wi-Fiの通信範囲を広げ、通信環境を改善できることです。広い家や複数階建ての住宅では、ルーター1台では電波が届かない「デッドゾーン」が発生することがあります。これを解消するために、別のルーターを中継器として利用することで、家中どこでもWi-Fiに接続できるようになります。
また、通信の安定性も向上します。複数のルーターでネットワークの接続を分散させることで、1台のルーターに負荷が集中するのを防ぎ、ゲームや動画視聴といった大容量のデータ通信でも安定した接続を保つことができます。これにより、家族が同時にインターネットを利用しても、速度が低下しにくくなります。
ルーターを接続するデメリット

前述の通り、ルーターを接続する際にはいくつかのデメリットも存在します。最も注意すべきは、設定が複雑になることです。2台目のルーターをブリッジモード(アクセスポイントモード)に正しく設定しないと、二重ルーターの状態になり、通信速度が低下する可能性があります。この設定はルーターのメーカーごとに異なるため、取扱説明書をよく確認する必要があります。
また、電波干渉も問題となります。複数のルーターが同じ周波数帯を使用すると、電波がぶつかり合い、通信速度が遅くなったり、接続が切断されたりすることがあります。これを避けるためには、ルーターの設置場所を適切に選んだり、使用する周波数帯やチャンネルを調整したりすることが大切です。
さらに、IPアドレスの重複による通信不良も起こり得ます。二重ルーターの状態では、IPアドレスが重複してしまい、オンラインゲームや一部のWebサービスにアクセスできなくなることがあります。
接続する注意点

ルーターを接続する際には、電波干渉を避け、ネットワークのセキュリティを強化することが大切です。電波干渉を避けるためには、可能であれば5GHz帯を利用したり、ルーター同士のチャンネルを離して設定したりすると良いでしょう。
セキュリティ強化策として、強固なパスワードを設定するだけでなく、ファイアウォール設定も最適化することが推奨されます。ルーターを複数接続すると、NAT(Network Address Translation)の重複によってアドレスの競合や接続の遅延が生じることがあります。これを回避するには、一方のルーターをブリッジモードに設定し、IPアドレスの範囲を調整することが有効です。
ルーター から ルーターを繋ぐ具体的な接続方法と設定

ルーターの接続方法と種類

ルーターを2台接続する方法には、主に「直列接続」「並列接続」「ブリッジモード」の3種類があります。
まず、直列接続は、1台目のルーターのLANポートと2台目のルーターのWANポートをLANケーブルでつなぎ、ネットワークを拡張する方法です。この際、2台目のルーターのDHCP機能を無効にし、IPアドレスの重複を避ける必要があります。
次に、並列接続は、両方のルーターをモデムに直接接続し、それぞれが独立したネットワークを形成する方法です。この方法では、各ルーターに異なるIPアドレスを設定する必要があります。
最後に、ブリッジモードは、2台目のルーターをブリッジモードに設定し、1台目のルーターとLANポート同士で接続する方法です。この方法では、2台目のルーターがハブや中継器として機能するため、同じネットワーク内でデバイスを共有でき、最も簡単な接続方法と言えます。
これらの接続方法の中で、特に家庭での利用ではブリッジモードが推奨されます。
接続 有線の手順とポイント

有線でルーター同士を接続する場合、正しい手順を踏むことが重要です。
まず、1台目のルーターのLANポートと、2台目のルーターのLANポートをLANケーブルで接続します。このとき、2台目のルーターのルーター機能を停止させるために、ブリッジモード(アクセスポイントモード)に切り替えることが最も一般的な方法です。これにより、二重ルーターになることを防ぎ、通信の安定を保ちます。
また、接続に用いるLANケーブルは、できるだけ性能が高いものを選ぶことで通信速度の低下を抑えられます。そして、接続が完了したら、IPアドレスの競合を防ぐためにも、各ルーターのIPアドレス設定を確認し、必要であれば変更してください。ルーターの設定画面にアクセスし、DHCP機能を適切に管理することが安定したネットワーク構築の鍵です。
無線接続の設定方法

無線でルーター同士を接続する場合は、有線接続よりもさらに簡単な方法で行うことができます。多くの無線LANルーターに搭載されているWPS機能を利用するのが一般的です。
まず、メインルーターのWPSボタンを1〜2秒間押し、その後に中継器として利用する2台目のルーターのWPSボタンも同様に押します。この操作だけで、両方のルーターが互いを認識し、自動的に接続設定を完了させることができます。これにより、手動でSSIDやパスワードを入力する手間が省け、誰でも簡単に無線ネットワークを拡張することが可能です。
ただし、この方法は両方のルーターがWPSに対応している必要があります。また、WPS機能を使用せず手動で設定する場合は、2台目のルーターの設定画面で、1台目のルーターのSSIDとパスワードを入力して接続します。
接続したあとの再起動で通信を安定化

ルーターの接続設定が完了した後は、再起動を行うことで通信環境が安定します。再起動の手順には正しい順番があり、これを守ることが大切です。
まず、パソコンやスマートフォンなど、接続しているすべての端末の電源を切ります。次に、2台目のルーターの電源を切り、最後にメインルーターの電源を切ります。全ての機器の電源が切れた状態で、10分程度待機します。
その後、電源を再び入れる際は、切った時とは逆の順番で行います。最初にメインルーターの電源を入れ、完全に起動するまで数分待ちます。次に2台目のルーターの電源を入れ、最後に各端末の電源を入れます。この手順によって、ルーター間の通信がスムーズになり、潜在的な接続問題を未然に防ぐことができます。
ルーターの正しい繋ぎ方を知って快適なネットを

ルーターを正しく繋ぐことは、快適なインターネット環境を実現するために非常に重要です。正しくない接続方法では、通信速度の低下や接続不良、さらにはオンラインゲームなどが利用できないといったトラブルに繋がりかねません。
例えば、単純にLANポートを増やす目的であれば、ルーターではなく安価なハブを購入する方が賢明な場合があります。また、Wi-Fiの電波範囲を広げたいだけであれば、中継器やメッシュWi-Fiの導入も一つの選択肢です。これらの機器はルーターを複数台使用する際のデメリットを回避しながら、目的を達成できる可能性があります。
ルーターの選び方や設置場所も通信の安定性に大きく影響します。特にWi-Fiの電波は障害物に弱いため、ルーターは部屋の中心付近で、床から1〜2メートルの高さに設置することが推奨されます。
最後に:ルーター から ルーターの接続を活用しよう
ルーターからルーターに接続することで、様々なメリットが得られます。
- Wi-Fiの電波が届きにくい場所をなくせる
- 接続できるデバイスの台数を増やせる
- ネットワーク全体の通信速度を安定させられる
- 有線接続のポートを増やすことができる
- メッシュWi-Fiのような便利なシステムも活用できる
- 電波干渉を防ぐための周波数帯やチャンネル調整が可能
- 接続方法には直列、並列、ブリッジモードなどがある
- 自宅のインターネット環境の利便性を大きく向上させられる
- 二重ルーターを避け、適切な設定を行うことが大切
- 費用や設定の煩雑さといったデメリットも理解しておく
- ルーター以外のハブや中継器も選択肢として検討できる
- 接続後の再起動は正しい手順で行うと良い
- これまでの内容を理解すればトラブルを回避できる
- 快適でストレスのないデジタルライフを送れる
- ルーター から ルーターの接続は有効な解決策の一つである