無料 Wi-Fiアパートの選び方と注意点

アパート探しで、無料wi-fiが利用できるという物件を魅力に感じている人は多いのではないでしょうか。インターネット環境を自分で契約する費用や手間が省けるため、非常に便利です。

ただ、実際に住んでから通信速度が遅くて動画が繋がらないといったトラブルや、ルーターの設置場所に関する注意点、そして思わぬ費用が管理費としてかかっているといったケースも存在します。大家さんがなぜ無料Wi-Fiを提供しているのか、その必要性や仕組みを理解しておかないと、入居後に後悔することにもなりかねません。

この記事では、無料Wi-Fiアパートを賢く利用するためのポイントを、多角的な視点から解説していきます。

この記事でわかること

  • 無料Wi-Fiアパートの基本的な仕組みやメリット
  • 入居前に確認すべき費用の内訳や注意点
  • 通信速度が遅い、繋がらないといったトラブルの原因と対処法
  • 自分に合った無料Wi-Fiアパートの選び方
目次

知っておきたい無料 wi fi アパートの基礎知識

無料Wi-Fiアパートとはどんな物件?

無料Wi-Fiアパートとは、入居者がインターネット料金を支払うことなく、無料でWi-Fiを利用できる設備が整った賃貸物件です。通常、賃貸物件でインターネットを利用する場合は、入居者自身がプロバイダと契約し、月額利用料を支払う必要があります。しかし、このタイプの物件では、大家さんが一括で回線契約や手続きを行うため、入居者は余計な手続きや支払いをせずにすぐにインターネットを使い始めることができます。

また、インターネット無料物件には、大きく分けて4つのタイプがあります。

  • タイプ1
    各部屋にWi-Fiルーターがついている物件自分でルーターを用意しなくても、すぐにWi-Fiを利用できるため最も手軽です。
  • タイプ2
    部屋まで回線がきている物件「インターネット完備物件」とも呼ばれ、各部屋のLANポートに自分のルーターを接続すれば利用できます。自分でルーターを準備する費用はかかりますが、専用回線のためセキュリティ面でも安心です。
  • タイプ3
    廊下などにWi-Fiルーターがついている物件特に機器の準備は不要ですが、他の入居者とネットワークを共有することになるため、セキュリティや通信速度に注意が必要です。
  • タイプ4
    共用部分のみでWi-Fiが使える物件エントランスなど、共用スペースでしかWi-Fiが使えないタイプです。

大家さんが無料Wi-Fiを導入する理由

大家さんがアパートに無料Wi-Fiを導入する主な理由は、空室対策や物件の競争力向上です。全国賃貸住宅新聞が実施した「人気設備ランキング2020」では、無料Wi-Fiは単身向け物件および家族向け物件でともに1位を獲得しています。このことからも、入居希望者にとって無料Wi-Fiが非常に重要な設備であることがわかります。

多くの入居者がインターネットの申し込みや回線工事を面倒に感じているため、あらかじめWi-Fi環境が整っている物件は大きな魅力となります。家賃や間取りが似たような物件が複数ある場合、無料Wi-Fiの有無が最後の一押しになることも珍しくありません。

さらに、一度入居が決まれば、無料Wi-Fiは退去防止にもつながります。入居者が引っ越しを検討する際、無料Wi-Fiがない物件ではインターネット料金という新たな支出が発生するため、転居のハードルが高くなる傾向があるからです。

無料Wi-Fiの費用は家賃に含まれる?

無料Wi-Fiの費用は、多くの場合、家賃や管理費に含まれていると考えられます。物件情報に「インターネット無料」と記載されていても、実際には大家さんが支払っているインターネット料金が家賃に上乗せされている可能性は否定できません。

周辺の類似物件と比較して、家賃や管理費が相場より高い場合は、その中にインターネット料金が含まれている可能性が高いでしょう。しかし、これは必ずしもデメリットではありません。自分で個別にインターネット契約をするよりも、大家さんが一括契約している分、トータルのコストは安く抑えられるケースが多いからです。

ただし、無料Wi-Fiが導入されているからといって、必ずしも他の回線が契約できないわけではありません。もし無料Wi-Fiの速度などに不満がある場合は、自己負担で新たな回線を契約することも可能です。

契約前に確認すべき注意点

契約前には、無料Wi-Fiのメリットだけでなく、デメリットや注意点も把握しておくことが大切です。まず、多くの無料Wi-Fiアパートでは、マンション全体で一つの回線を共有しています。そのため、夜間や週末など利用者が多い時間帯には通信が混雑し、速度が遅くなる可能性があります。

また、セキュリティ面についても注意が必要です。共有Wi-Fiを利用する場合、他の入居者と同じネットワークを使うことになり、プライバシーやセキュリティに不安が残る場合があります。安心して利用するために、ご自身でセキュリティソフトを導入したり、個人情報のやり取りを避けるといった対策が必要です。

さらに、契約内容をしっかりと確認することも大切です。特に、解約時の違約金や、物件を退去する際のルールなどを事前に把握しておきましょう。

ルーターは必要か確認する方法

無料Wi-Fiアパートに住む場合、ルーターが必要かどうかは物件によって異なります。タイプ1の物件であれば、あらかじめWi-Fiルーターが各部屋に設置されているため、自分で用意する必要はありません。

一方、タイプ2のように、部屋まで有線のLAN回線が来ているだけの「インターネット完備物件」の場合、無線でインターネットを利用するためには、ご自身で無線LANルーターを用意する必要があります。物件を検討する際に、不動産会社や大家さんに直接確認することが重要です。

埋め込み型と置き型の違い

アパートに導入されるWi-Fiルーターには、壁に埋め込むコンセント型のものと、据え置き型の2種類があります。埋め込み型は、部屋の景観を損なわず、入居者が持ち去る心配がないというメリットがあります。一方、置き型は工事が不要で導入が容易ですが、持ち去られるリスクがあるため、大家さんは入居時にしっかりとルールを定める必要があります。

無料Wi-Fiを利用するには

無料Wi-Fiを利用するには、まず物件にWi-Fi設備が備わっているかを確認することが第一歩です。その後は、物件のタイプに応じて利用方法が異なります。

  • ルーターが設置済みの物件すでに部屋にルーターが設置されている場合は、ルーターの裏などに記載されているSSIDとパスワードを確認し、ご自身のデバイスで接続設定を行うだけで利用可能です。
  • ルーターを自分で用意する物件LANポートに自分で用意した無線LANルーターを接続し、設定を行うことでWi-Fiを利用できるようになります。LANケーブルは備え付けの場合もありますが、ご自身で用意しなければならない場合もあります。

どちらの場合も、契約手続きは大家さんや管理会社が済ませてくれているため、インターネット利用開始までの手間は最小限で済みます。

快適に無料 wi fi アパートを活用するために

Wi-Fiが遅い原因と対処法

無料Wi-Fiアパートで「通信速度が遅い」と感じる原因は、主に以下の3つが考えられます。

  • 回線に対して利用者が多すぎるアパートに引き込まれている回線は通常1本のため、入居者全員で共有しています。そのため、利用者が増える夜間帯や週末は回線が混雑し、通信速度が低下しやすくなります。
  • プロバイダのスペック不足大家さんが契約しているプロバイダの通信方式が古かったり、回線容量が不足していたりすると、速度が遅くなることがあります。
  • Wi-FiルーターやONUの規格が古い物件に設置されているルーターやONUが古い規格だと、高速通信に対応しておらず、速度が出ない場合があります。

これらの問題に対して、ご自身でできる簡単な対処法として、まずはWi-Fiに接続する時間帯をずらすことや、通信速度が安定する置き型Wi-Fiやホームルーターを個人で契約することが挙げられます。

なぜWi-Fiが繋がらない?

Wi-Fiが繋がらない場合、原因は使用しているデバイス、Wi-Fiルーター、または回線そのものにある可能性があります。

まず、スマホやパソコンのWi-Fi設定がOFFになっていないか、または機内モードになっていないかを確認してください。また、マンションには複数のWi-Fi電波が飛んでいるため、間違ったSSIDに接続していないかもチェックしてみましょう。これらの確認でも解決しない場合は、デバイスの一時的な不具合も考えられるため、再起動を試してみることをおすすめします。


置き場所の調整で改善することも

Wi-Fiルーターと使用しているデバイスの間に、壁や床などの障害物がある場合、電波が弱くなり繋がりにくくなることがあります。特に鉄筋コンクリートの建物では顕著です。そのような場合は、Wi-Fiルーターの置き場所を部屋の中心や床から少し高い位置に変えることで、電波状況が改善することがあります。電子レンジやテレビなどの家電の近くも電波干渉を起こしやすいため、避けるのが賢明です。

セキュリティ対策の必要性

前述の通り、無料Wi-Fiはセキュリティ面で注意が必要です。他の入居者と同じネットワークを利用するため、意図しない情報漏洩のリスクも考えられます。

これらのリスクを避けるために、ご自身でできる対策は非常に大切です。例えば、OSを最新のバージョンに保ち、セキュリティ対策ソフトを導入することが推奨されます。また、オンラインバンキングやクレジットカード情報の入力など、個人情報のやり取りは可能な限りモバイル回線を利用するなど、使い分けを意識しましょう。

管理費との関係性をチェック

賃貸物件の契約において、家賃と並んで毎月支払うのが管理費です。インターネット無料の物件では、この管理費にWi-Fi利用料が上乗せされている可能性があります。家賃が安くても、管理費が高い場合は、トータルの月々の支出が他の物件と変わらない、あるいは高くなることもありえます。

しかし、管理費に含まれていることで、自分で個別に契約するよりも割安になるケースが多いため、周辺の家賃相場や管理費をしっかりと比較検討することが大切です。

大家さんに相談する際のポイント

無料Wi-Fiの通信トラブルが発生した場合、まずはご自身でできる対処法を試してみることが重要です。しかし、それでも解決しない場合は、大家さんや管理会社に相談する必要があります。

相談する際は、「通信速度が遅い」「動画が途中で止まる」「夜だけ繋がらない」など、具体的な状況を伝えることが大切です。大家さんや管理会社としても、入居者の満足度向上や退去防止のため、問題解決に前向きに対応してくれる可能性があります。もし相談しても改善が見られない場合は、ポケットWi-Fiやホームルーターなど、ご自身で別のインターネット環境を契約することも検討しましょう。

賃貸探しで無料 wi fi アパートを活かすコツ

無料Wi-Fiアパートを賃貸探しで活かすためには、自分のインターネット利用目的を明確にすることが鍵となります。例えば、SNSやウェブサイト閲覧がメインであれば、無料Wi-Fiでも問題なく快適に利用できる可能性が高いでしょう。

一方で、オンラインゲームや高画質な動画配信サービスの利用を頻繁に行う場合は、通信速度が不安定になりがちです。そのような場合は、無料Wi-Fiがない物件でも、自分で高速回線が契約できる物件を選ぶ方が満足度は高くなります。

まとめ

  • 無料Wi-Fiアパートとは入居者がインターネット料金を支払う必要がない物件のこと
  • 大家さんは空室対策や物件の競争力向上を目的として無料Wi-Fiを導入している
  • 費用は家賃や管理費に上乗せされている場合があるが、自分で契約するより安価なことが多い
  • 通信速度が遅い、電波が弱い、繋がらないといったトラブルの原因は、回線の混雑やルーターの規格不足などが考えられる
  • Wi-Fiルーターが必要かどうかは物件のタイプによって異なるため、契約前に確認が必要である
  • セキュリティ面での不安があるため、各自でセキュリティ対策を行うことが大切である
  • 無料Wi-Fiが導入されていても、入居後に自分で別の回線を契約することもできる
  • 入居者にとってインターネット無料は人気設備であり、賃貸物件選びの重要なポイントとなっている
  • 物件によっては工事が不要で、引っ越し後すぐにインターネットが利用できる
  • 夜間帯や週末はインターネットの利用者が増え、通信速度が低下する傾向がある
  • Wi-Fiが繋がりにくい場合、ルーターの置き場所を変えるなど、自分でできる対処法を試すことが有効である
  • 無料Wi-Fiの有無に関わらず、ご自身のインターネット利用目的に合った物件を選ぶことが重要である
  • Wi-Fiのトラブルは大家さんや管理会社に具体的に状況を伝えて相談すると良い
  • 無料Wi-Fiの導入は、入居者にとってインターネット契約の手間が省ける大きなメリットとなる
  • 賃貸選びの際、家賃だけでなく管理費を含めたトータルコストで比較検討すると良い
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