「バッファローのルーターを使っているのに、有線接続がなぜか遅い…」と感じていませんか。快適なインターネット環境を求めて有線にしているのに、繋がっているのに遅い、あるいはWi-Fi接続までブツブツ切れるといった状況では、ストレスが溜まってしまいますよね。
特に、オンラインゲームを楽しんでいる最中や、WSR-3200ax4sのような特定の機種で有線が遅いと感じるケースもあるようです。本来、有線は無線より早いのが一般的ですが、実は見落としがちな有線のデメリットも存在します。
そこでこの記事では、バッファローのルーターで有線速度が遅くなる原因を切り分け、誰でも試せる高速化設定のおすすめや、具体的な設定方法まで詳しく解説します。
- バッファローのルーターで有線が遅くなる原因
- 有線接続を高速化する具体的な設定方法
- 機種特有の問題やその対処法
- 有線と無線の速度に関する正しい知識
バッファローのルーターで有線が遅いときの原因
- 有線と無線ではそもそもどちらが早いの?
- 繋がっているのになぜか遅い場合の切り分け
- WSR-3200ax4sで有線が遅い特有の問題
- Wi-Fiもブツブツ切れるなら本体の不調
- 見落としがちな有線のデメリットとは?
- LANケーブルの規格や物理的な損傷を確認
有線と無線ではそもそもどちらが早いの?

結論から言うと、一般的には有線LAN接続のほうが無線LAN(Wi-Fi)よりも高速で安定しています。物理的なケーブルでルーターとデバイスを直接つなぐため、通信が外部の電波から影響を受けにくいからです。
一方で、無線LANは電波を使って通信するため、他の家電製品(特に電子レンジ)や近隣のWi-Fiルーターからの電波干渉を受けやすく、壁や床などの障害物によっても速度が低下することがあります。
このように言うと、常に有線が優れているように聞こえますが、それぞれの接続方法にはメリットとデメリットが存在します。以下の表で、それぞれの特徴を比較してみましょう。
接続方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
有線LAN | ・通信速度が速く、安定している ・電波干渉の影響を受けない ・セキュリティが高い | ・ケーブルの配線が煩雑になる ・デバイスの設置場所が制限される ・LANポートの数しか接続できない |
無線LAN (Wi-Fi) | ・ケーブルが不要で見た目がすっきりする ・家の中の好きな場所で利用できる ・複数のデバイスを簡単に接続できる | ・通信速度が不安定になりやすい ・電波干渉や障害物の影響を受ける ・有線に比べてセキュリティリスクがある |
ポイント
理論上は有線接続のほうが高速です。もしお使いの環境で有線が無線より遅い場合、ルーター、ケーブル、デバイスのいずれかに何らかの問題が起きている可能性が考えられます。
繋がっているのになぜか遅い場合の切り分け

「インターネットには繋がっているのに、なぜか速度が遅い」という場合、原因を特定するための切り分け作業が重要になります。やみくもに対処するのではなく、以下のステップで一つずつ原因を探っていきましょう。
ステップ1:他のデバイスで速度を試す
まず、問題が発生しているパソコン以外のデバイス(別のパソコンやスマートフォンなど)で速度を測定してみます。もし他のデバイスでは正常な速度が出る場合、原因は最初に使っていたパソコン側にある可能性が高いと判断できます。
ステップ2:LANケーブルを交換してみる
別のLANケーブルがあれば、交換して速度に変化があるか確認します。ケーブルを交換して速度が改善した場合、原因は元のLANケーブルの劣化や内部断線だったと考えられます。
補足
LANケーブルは見た目に問題がなくても、内部で断線していることがあります。特に、ケーブルを強く折り曲げたり、ドアに挟んだりしている場合は劣化しやすいため注意が必要です。
ステップ3:ルーターの別のLANポートに接続する
ルーターには複数のLANポートがありますが、特定のポートだけが故障している可能性もゼロではありません。現在使用しているポートからケーブルを抜き、別のLANポートに差し替えて速度を測定してみてください。
ステップ4:ルーターやONUを再起動する
前述の通り、ルーターやONU(光回線終端装置)は、長時間の使用による熱や一時的な不具合で動作が不安定になることがあります。一度、これらの機器の電源を落とし、数分待ってから再起動することで問題が解消されるケースは少なくありません。
何から手をつけていいか分からない場合は、まずこの「再起動」から試してみるのがおすすめです。多くの場合、これだけで通信状況が改善することがありますよ。
WSR-3200ax4sで有線が遅い特有の問題

バッファローの人気機種である「WSR-3200AX4S」シリーズで有線接続が遅い場合、機種特有の原因が潜んでいる可能性も考えられます。
もちろん、これまで解説してきたLANケーブルの問題やパソコン側の設定なども原因となり得ますが、ここではWSR-3200AX4Sに絞って考えられる原因をいくつか紹介します。
原因1:ファームウェアが古い
ルーターの動作を制御しているソフトウェア「ファームウェア」が古いバージョンのままだと、通信に関する不具合が修正されておらず、速度低下を引き起こすことがあります。バッファローの公式サイトで最新のファームウェアが公開されていないか確認し、バージョンが古い場合はアップデートを行いましょう。
原因2:「ネット脅威ブロッカー」機能の影響
WSR-3200AX4Sに搭載されているセキュリティ機能「ネット脅威ブロッカー」は、悪質なサイトへのアクセスを防ぐ便利な機能です。しかし、この機能を有効にしていると、ルーターの処理に負荷がかかり、通信速度が低下する場合があります。
注意点
この機能を無効にすると、セキュリティレベルは低下します。速度改善のために一時的にオフにして効果を確認するのは有効ですが、無効にしたままで利用する場合は、パソコン側のセキュリティソフトを必ず有効にするなど、別途対策を講じる必要があります。
もし速度が極端に遅いと感じる場合は、一度この機能をオフにして速度に変化があるか試してみる価値はあります。
Wi-Fiもブツブツ切れるなら本体の不調

有線接続だけでなく、Wi-Fi接続まで頻繁に途切れたり、速度が遅くなったりする場合は、ルーター本体に何らかの不調が発生している可能性が濃厚です。
主な原因としては、以下の3つが考えられます。
1. 熱暴走
ルーターは24時間365日稼働していることが多いため、内部に熱がこもりやすくなっています。特に、通気性の悪い場所に設置したり、直射日光が当たったりすると熱暴走を起こし、動作が不安定になることがあります。ルーターに触れてみて異常に熱い場合は、一度電源を切り、涼しい場所で十分に放熱させてから再起動してみましょう。
2. ファームウェアの不具合
前述の通り、ファームウェアに一時的な不具合が生じている可能性です。再起動で改善しない場合は、最新版へのアップデートを試みてください。
3. 経年劣化による寿命
Wi-Fiルーターは電子機器であり、消耗品です。一般的なルーターの寿命は4~5年と言われています。長年同じルーターを使い続けている場合、内部の部品が劣化して性能が低下しているのかもしれません。
もし5年以上同じルーターをお使いで、再起動や設定見直しをしても不調が改善しない場合は、新しいルーターへの買い替えを検討する良いタイミングかもしれませんね。
見落としがちな有線のデメリットとは?

ここまで有線接続のメリットや、遅くなる原因について解説してきましたが、有線接続には見落としがちなデメリットも存在します。これらの点を理解しておくことで、より最適なネットワーク環境を構築できます。
ケーブルの配線が煩雑になる
最も分かりやすいデメリットは、ケーブルの存在そのものです。ルーターからデバイスまで物理的なケーブルで繋ぐ必要があるため、部屋をまたいで配線すると見た目が悪くなったり、足を引っ掛ける原因になったりします。
デバイスの設置場所が制限される
当然ながら、LANケーブルが届く範囲でしかデバイスを設置できません。スマートフォンやノートパソコンのように、家の中を自由に移動しながら使いたいデバイスには不向きです。
注意点
ケーブルの長さが10mを超えるような長距離の配線になると、ノイズの影響を受けやすくなり、通信が不安定になる可能性があります。あまりにも長いケーブルが必要な場合は、途中にスイッチングハブを設置するなどの対策を検討しましょう。
接続できる台数に限りがある
一般的な家庭用ルーターのLANポートは4つ程度です。そのため、デスクトップPCやゲーム機など、複数のデバイスを有線で接続したい場合、ポートの数が足りなくなることがあります。
LANケーブルの規格や物理的な損傷を確認

有線接続の速度が出ない原因として、意外と見落とされがちなのがLANケーブルそのものの問題です。契約している光回線やルーターが高性能でも、ケーブルがボトルネックになっていては本来の性能を発揮できません。
LANケーブルの「カテゴリ」を確認する
LANケーブルには「カテゴリ(CAT)」と呼ばれる規格があり、数字が大きいほど通信速度が速く、ノイズにも強くなります。ケーブルの被膜部分に「CAT.5e」や「CAT.6」といった印字があるので確認してみましょう。
カテゴリ | 最大通信速度 | 伝送帯域 | 主な用途 |
---|---|---|---|
CAT5 | 100Mbps | 100MHz | 旧世代の規格(現在は非推奨) |
CAT5e | 1Gbps | 100MHz | 1Gbpsの光回線に対応 |
CAT6 | 1Gbps | 250MHz | ノイズに強く、より安定した通信が可能 |
CAT6A | 10Gbps | 500MHz | 10Gbpsの高速光回線に対応 |
CAT7 | 10Gbps | 600MHz | ノイズ対策がより強化されている |
Google スプレッドシートにエクスポート
ポイント
現在主流の1Gbpsの光回線を利用している場合、最低でもCAT5e以上のケーブルが必要です。もしCAT5のケーブルを使っている場合は、それだけで速度が最大100Mbpsに制限されてしまうため、すぐに買い替えることをおすすめします。迷ったら、価格も手頃で性能も十分なCAT6を選ぶのが良いでしょう。
ケーブルの物理的な損傷をチェック
ケーブルに以下のような損傷がないか、目視で確認してください。
- ケーブルの被膜が破れて、中の線が見えている
- コネクタ部分のツメが折れている(カチッと固定されない)
- 家具の下敷きになるなどして、ケーブルが極端に押しつぶされている
これらの損傷は、通信を不安定にさせる直接的な原因となります。一つでも当てはまる場合は、新しいケーブルに交換しましょう。
バッファローのルーターで有線が遅いときの対処法
- バッファロー ルーター有線速度のおすすめ設定
- 高速化設定のおすすめはセキュリティ機能のオフ
- オンラインゲームを快適にするためのポイント
- 周辺機器を含めた再起動を試す
- ファームウェアを更新して不具合を解消する
バッファロー ルーター有線速度のおすすめ設定

ルーターの設定を見直すことで、有線接続の速度が改善されることがあります。ここでは、バッファローのルーターで試してみたい、おすすめの設定をいくつか紹介します。
補足
設定は、Webブラウザでルーターの「設定画面」にアクセスして行います。アクセス方法はルーターの取扱説明書をご確認ください。
QoS(Quality of Service)機能
QoSは、特定のデバイスやアプリケーションの通信を優先させる機能です。例えば、オンラインゲームやWeb会議の通信を優先するように設定すれば、家族が同時に動画視聴などをしていても、ゲームや会議の遅延を防ぐことができます。
設定画面から「QoS」や「メディアサーバー」といった項目を探し、優先したいデバイスのMACアドレスや、アプリケーションの種類(ゲームなど)を指定します。
ジャンボフレーム
ジャンボフレームは、一度に送受信できるデータサイズを大きくして、ネットワークの転送効率を向上させる機能です。特に、大きなファイルをやり取りする際に効果が期待できます。
注意点
この機能を利用するには、ルーターだけでなく、接続するパソコンやハブなど、通信経路にある全ての機器がジャンボフレームに対応している必要があります。一つでも非対応の機器があると、逆に通信が不安定になる可能性があるため、設定は慎重に行いましょう。
対応状況が分からない場合は、無理に設定を変更しない方が安全です。
高速化設定のおすすめはセキュリティ機能のオフ

前述の通り、バッファローのルーターに搭載されている「ネット脅威ブロッカー」や「ペアレンタルコントロール」といった高度なセキュリティ機能は、通信速度に影響を与える可能性があります。
これらの機能は、ルーターを通過する通信データを常に監視・解析しているため、ルーターのCPUに高い負荷がかかります。その結果、処理が追いつかなくなり、通信速度の低下を招いてしまうことがあるのです。
ポイント
もし、契約している回線速度に対して明らかに有線速度が遅い場合、一度これらの機能を無効にして速度測定をしてみることを強くおすすめします。無効にした状態で速度が大幅に改善されれば、原因がこれらの機能にあったと特定できます。
ただ、言うまでもなく、これらの機能をオフにするとルーターのセキュリティレベルは低下します。速度とセキュリティのどちらを優先するかを考え、機能をオフにする場合はパソコンに必ず信頼性の高いセキュリティソフトを導入するなど、自己防衛策を講じることが不可欠です。
「速度は欲しいけど、セキュリティも心配…」という方は多いと思います。まずは機能をオフにして速度改善の効果を確かめた上で、ご自身の利用環境に合わせた最適なバランスを見つけることが大切ですね。
オンラインゲームを快適にするためのポイント

一瞬の遅延が勝敗を分けるオンラインゲームにおいて、安定した通信環境は不可欠です。有線接続が遅いと感じるゲーマーの方は、以下のポイントを確認してみてください。
QoS機能でゲーム通信を優先する
最も効果的な対策の一つが、QoS機能の活用です。設定画面で、お使いのゲーム機(PlayStationやNintendo Switchなど)や、パソコンでプレイしている場合はパソコンの通信を最優先に設定しましょう。これにより、他の通信に邪魔されることなく、ゲームデータを安定して送受信できるようになります。
ポート開放・DMZの設定
特定のゲームでマッチングがうまくいかない、ボイスチャットが繋がらないといった問題がある場合、ルーターのセキュリティ機能によって必要な通信がブロックされている可能性があります。
この場合、「ポート開放」という設定で、ゲームが必要とする特定の通信ポートだけを解放することで、問題が解決することがあります。設定方法はゲームによって異なるため、プレイしているゲームの公式サイトなどで確認が必要です。
注意点
「DMZ」という設定は、指定したデバイスをルーターのファイアウォールの外に置く機能で、あらゆる通信を許可するため接続問題は解決しやすくなります。しかし、デバイスが外部からの攻撃に無防備な状態になるため、セキュリティリスクが非常に高くなります。安易な設定は避け、ポート開放で解決しない場合の最終手段と考えましょう。
周辺機器を含めた再起動を試す

通信が遅い、不安定だと感じたときに、まず試すべき最も基本的で効果的な対処法が「再起動」です。
ルーターやONU(光回線終端装置)、パソコンなどのネットワーク機器は、長時間連続で稼働していると、内部に不要なデータが溜まったり、熱がこもったりして、一時的な動作不良を起こすことがあります。再起動することで、これらの状態がリセットされ、正常なパフォーマンスを取り戻すことが期待できるのです。
ただ再起動するだけでなく、正しい手順で行うことが重要です。以下の順番で機器の電源を切り、再起動してください。
正しい再起動の手順
- パソコンのシャットダウン:まずは末端のデバイスであるパソコンの電源を完全に切ります。
- ルーターの電源をオフ:次に、ルーターのACアダプターをコンセントから抜きます。
- ONUの電源をオフ:最後に、大元であるONUのACアダプターをコンセントから抜きます。
- 5分ほど待つ:全ての機器の電源を切った状態で、5分ほど放置します。これにより、機器内部の電気が完全に放電され、溜まった熱も冷ますことができます。
- 逆の順で電源をオン:ONU→ルーター→パソコンの順番で、電源を入れていきます。各機器のランプが正常に点灯し、起動が完了するまで1~2分ずつ間隔をあけるのがポイントです。
少し面倒に感じるかもしれませんが、この正しい手順で再起動を行うだけで、多くの通信トラブルが嘘のように解決することがあります。ぜひ試してみてください。
ファームウェアを更新して不具合を解消する

「ファームウェア」とは、ルーター本体に組み込まれている、機器を制御するための基本的なソフトウェアのことです。パソコンでいうところのOS(Operating System)のような役割を担っています。
メーカーは、製品の発売後も、機能改善やセキュリティ強化、発見された不具合の修正のために、このファームウェアの更新プログラム(新しいバージョン)を定期的に提供しています。
なぜファームウェアの更新が必要なのか?
ファームウェアを最新の状態に保つことには、主に2つの大きなメリットがあります。
- セキュリティの強化:インターネットの世界では、日々新たなセキュリティ上の脅威(脆弱性)が発見されます。ファームウェアを更新することで、これらの脆弱性が修正され、不正アクセスなどのリスクからネットワークを保護できます。
- 動作の安定とパフォーマンス向上:特定の条件下で通信が遅くなる、接続が切れるといった不具合が、ファームウェアの更新によって解消されるケースは非常に多いです。また、新しい機能が追加されたり、全体のパフォーマンスが向上したりすることもあります。
ポイント
バッファローのルーターは、設定画面から簡単にファームウェアのバージョン確認と更新が可能です。「詳細設定」→「管理」→「ファームウェア更新」といった項目から、「更新ファイルを確認」などのボタンをクリックすることで、最新版があるかチェックできます。自動更新機能を有効にしておくのもおすすめです。
(参照:バッファロー公式サイト ファームウェアをアップデートする方法)
バッファローのルーターで有線接続が遅くなる原因を追求して快適ライフを
この記事では、バッファローのルーターで有線接続が遅くなる原因と対処法について、多角的に解説しました。最後に、記事の要点をリストで振り返ります。
- 有線接続が遅い場合、ルーター、ケーブル、PCなど複数の原因が考えられる
- 問題解決の第一歩は、原因を特定するための切り分け作業
- 一般的に有線LANは無線LANより高速で安定している
- 有線が無線より遅いのは、何らかの異常が発生しているサイン
- LANケーブルは1Gbps回線ならCAT5e以上の規格を選ぶ
- ケーブルの見た目に損傷がなくても内部で断線していることがある
- ルーターやONUの再起動は最も基本的で効果的な対処法
- 再起動はONU、ルーター、PCの順で電源を入れ直すのが正しい手順
- ファームウェアは不具合修正やセキュリティ向上のため常に最新にする
- 特定の機種(WSR-3200ax4sなど)は特有の問題がある場合も
- ルーターのセキュリティ機能が速度低下の原因になることがある
- QoS機能を使えばゲームなどの特定通信を優先できる
- 有線と無線の両方が不調な場合はルーター本体の寿命も疑う
- 一つの要素だけで判断せず、様々な角度から原因を探求することが重要