PR-500KIのルーター機能をオフにしたいけれど、そもそもオフにするとどうなるのか、不安に感じていませんか?光回線の速度を改善するために他社ルーターを導入したものの、二重ルーター状態に陥ってしまうのは避けたいですよね。NTT推奨のリッジモード設定(ブリッジモード)や、適切な接続モードの選択が重要になります。
また、ひかり電話オフにできない環境で、いかにして自前のルーターの市販機能オンで活用するかは大きな課題です。中には便利なオンオフオート機能を持つ機器もありますが、手動での設定が必要な場合も少なくありません。
この記事では、PR-500KIのルーター機能オフに関する具体的な手順から、しばしば比較されるNURO光のONUルーター機能オフの可否まで、網羅的に解説します。
- PR-500KIのルーター機能をオフにする具体的な手順
- 二重ルーター状態を解消するメリットと注意点
- ひかり電話契約中でも市販ルーターを最大限活用する方法
- 各モード(ルーター・ブリッジ)の違いと選び方
pr 500ki ルーター機能オフの基本的な方法
PR-500KIのルーター機能をオフにする設定は、ネットワーク環境を最適化するための重要なステップです。特に、ご自身で用意した高性能なWi-Fiルーターを使用したい場合には、この設定が不可欠となります。ここでは、機能をオフにする目的や基本的な知識について、順を追って解説していきます。
二重ルーターを回避するための第一歩

ご家庭のネットワークにルーターが2台存在し、両方ともルーター機能がオンになっている状態を「二重ルーター」と呼びます。PR-500KIと市販のWi-Fiルーターを接続した場合に、この状態に陥りやすいです。
二重ルーター状態になると、通信速度が低下したり、オンラインゲームの特定の機能(ポート開放)が使えなくなったり、一部のWebサイトが正常に表示されなくなったりする可能性があります。これらの問題を未然に防ぎ、ネットワークを快適に利用するためには、どちらか一方のルーター機能をオフにする必要があります。一般的には、大元にあるPR-500KIのルーター機能をオフ(ブリッジモード)にするか、市販ルーターをアクセスポイントモードで動作させるのが解決策です。
二重ルーターの主なデメリット
二重ルーター環境は、以下のような問題を引き起こす可能性があります。
- 通信パフォーマンスの低下
- 特定のオンラインサービス(ゲーム、VPN等)での接続障害
- ポート開放設定の複雑化、または失敗
- プリンターなどの周辺機器が正しく認識されない
ルーター機能をオフにするとどうなる?

PR-500KIのルーター機能をオフにする、つまり「ブリッジモード」で動作させると、PR-500KIはインターネット信号を右から左へ受け流すだけの「橋渡し」の役割に徹します。
具体的には、IPアドレスを各機器に割り振る「DHCPサーバー機能」や、インターネットと家庭内ネットワークを隔てる「NAT機能(ファイアウォール)」などが停止します。これにより、PR-500KIは単なる「ONU(光回線終端装置)」または「モデム」に近いシンプルな装置として機能します。
この状態にすることで、後段に接続したご自身で用意した市販のWi-Fiルーターが、全てのルーター機能を担うことになり、その性能を最大限に引き出すことが可能となるのです。
ルーター機能オフ時のPR-500KIの役割
PR-500KIは、ルーター機能に関わる以下の処理を停止し、後段のルーターに全ての役割を委ねます。
- IPアドレスの自動割り当て(DHCP)
- インターネット接続設定(PPPoE認証)
- ファイアウォール機能(NAT/NAPT)
最適な接続モードを選ぶための知識

Wi-Fiルーターには、主に「ルーターモード(RTモード)」と「ブリッジモード(BRモード)」または「アクセスポイントモード(APモード)」という2つの主要な接続モードがあります。ネットワーク環境に応じて、このモードを正しく選択することが非常に重要です。
どちらのモードを選ぶべきか、それぞれの役割と推奨される利用シーンを以下の表にまとめました。
モード種別 | 主な役割 | 推奨される利用シーン |
---|---|---|
ルーターモード (RT) | インターネット接続、IPアドレス割り振り、ファイアウォールなど、ネットワーク管理の全てを担う。 | 回線終端装置(ONU)にルーター機能がない場合や、ネットワーク内にルーターが1台しかない場合。 |
ブリッジモード (BR / AP) | ルーター機能を停止し、Wi-Fiの電波を送受信する「アクセスポイント」機能に特化する。 | PR-500KIなど、他にルーター機能を持つ機器がすでに存在する場合。(二重ルーターを避けるため) |
つまり、PR-500KIのルーター機能をオンのまま使うなら市販ルーターはブリッジモードに、PR-500KIのルーター機能をオフにするなら市販ルーターはルーターモードに設定するのが基本です。
便利なオンオフ オート機能とは

最近の市販Wi-Fiルーターの中には、ネットワーク環境を自動で判別し、ルーターモードとブリッジモードを自動的に切り替えてくれる「オートモード」機能を搭載している製品があります。例えば、Buffalo社製の一部のルーターなどがこの機能に対応しています。
この機能があれば、利用者は難しい設定を意識することなく、ルーターのスイッチを「AUTO」に合わせておくだけで、二重ルーターを自動的に回避して最適なモードで動作してくれます。ネットワーク設定に不慣れな方にとっては、非常に心強い機能と言えるでしょう。
オートモードの注意点
非常に便利なオートモードですが、稀に環境を誤認することがあります。もしオートモードで接続が不安定な場合は、手動で正しいモード(ルーターモードまたはブリッジモード)に切り替えることをお勧めします。
NTT推奨のリッジモード 設定について

実は、NTTのサポートが推奨しているのは「PR-500KIをルーターモードで利用し、市販のWi-Fiルーターをアクセスポイントモード(ブリッジモード)で使う」という構成です。
ここで少し補足です。インプット情報にあった「リッジモード」という言葉ですが、これは「ブリッジモード」のことを指していると考えられます。少し珍しい表現ですが、意味合いは同じです。
NTTがこの構成を推奨するのには、主に以下の3つの理由があります。
- サポートの範囲:NTTのサポート対象は、レンタル機器であるPR-500KIまでです。トラブルが発生した際、PR-500KIがルーターとして機能していれば、そこまでの通信が正常かどうかを切り分けやすくなります。
- 通信の安定性:PR-500KIはひかり電話などのサービスとの連携も考慮されており、ルーターとして動作させることで安定した通信が期待できるとされています。
- 原因の切り分け:万が一インターネットに繋がらなくなった場合、PR-500KIのランプ状態で問題がNTT側にあるのか、ユーザーの宅内環境にあるのかを判断しやすくなります。
もちろん、これはあくまでNTTの推奨構成です。ユーザーが自己責任でPR-500KIのルーター機能をオフにし、市販ルーターをメインで使うことも選択肢の一つです。
pr 500ki ルーター機能オフの応用と注意点
基本的な設定方法を理解した上で、さらに一歩進んだ応用的な使い方や、特に注意すべき点について掘り下げていきます。「ひかり電話」を契約している場合の特殊な設定や、より高性能な市販ルーターの機能を最大限に引き出す方法など、あなたのネットワーク環境をさらに快適にするための知識です。
- ひかり電話オフにせず機能停止する裏技
- 自前の他社ルーターを有効活用する方法
- 市販機能オンで通信速度は向上するのか
- NURO光ONUルーター機能オフとの比較
- pr 500ki ルーター機能オフの具体的な手順
ひかり電話オフにせず機能停止する裏技

PR-500KIのルーター機能をオフにしたいと考える際の最大の障壁が「ひかり電話」の存在です。ひかり電話を契約している場合、原則としてPR-500KIのルーター機能はオフにできません。これは、PR-500KIが電話機能の制御も担っているためです。
しかし、実は「ひかり電話を使い続けながら、市販ルーターにインターネット接続を任せる」という裏技的な方法が存在します。
契約プロバイダへの設定変更依頼
この方法は、ユーザーが自分で機器を設定するのではなく、契約している光回線の事業者(例:ドコモ光など)に連絡し、局側で設定を変更してもらうというものです。具体的には、「V6プラス」や「transix」といったIPv6 IPoE接続の処理を、PR-500KIではなく、ユーザーが用意した市販ルーター側で行うように変更を依頼します。この変更が完了すると、PR-500KIはひかり電話の制御だけを行う装置となり、インターネット通信は完全に市販ルーターに委ねることができます。
自己責任での対応が必要
この設定変更は、事業者のサポート担当者によっては対応してもらえない場合や、詳細な知識が求められる場合があります。また、設定変更後のネットワークトラブルは、原則として自己責任での対応となるため、十分な知識を持った上で行うようにしてください。
自前の他社ルーターを有効活用する方法

PR-500KIのルーター機能を無事にオフ(ブリッジ化)できたら、いよいよ自前の他社製ルーターの出番です。ブリッジ化されたPR-500KIのLANポートと、市販ルーターのWANポート(Internetポート)をLANケーブルで接続します。
そして、市販ルーターにプロバイダから提供された「PPPoE接続情報(認証IDとパスワード)」を設定します。これにより、市販ルーターがインターネット接続の認証を行い、名実ともにご家庭のネットワークの司令塔となります。
この状態にすることで、市販の高性能ルーターが持つ以下のような機能をフル活用できます。
- 最新のWi-Fi規格(Wi-Fi 6/6E/7)による高速通信
- より広範囲をカバーする強力なアンテナ性能
- 特定の通信を優先するQoS(Quality of Service)機能
- 高度なセキュリティ機能やペアレンタルコントロール
- EasyMeshなどのメッシュWi-Fi機能
市販機能オンで通信速度は向上するのか

「市販ルーターの機能をオンにすると、本当に通信速度は上がるのか?」という点は、多くの方が気になるところでしょう。結論から言えば、向上する可能性は高いです。
PR-500KIもレンタル品としては十分な性能を持っていますが、登場から年数が経過しており、最新の市販ハイエンドルーターと比較すると、処理能力(CPU性能)や搭載メモリに差があります。特に、家族それぞれが同時に動画視聴やオンラインゲーム、ビデオ会議などを行うようなデータ通信量が多い環境では、高性能なルーターほど安定した高速通信を維持しやすくなります。
言ってしまえば、軽自動車のエンジンとスポーツカーのエンジンを比べるようなものですね。普段の街乗りでは違いが分かりにくくても、高速道路で多くの車を追い越すような場面では、その性能差がはっきりと体感できるのに似ています。
最新のWi-Fi規格への対応はもちろん、多数の機器が接続されても安定してデータを処理する能力が、市販の高性能ルーターの大きな魅力です。
NURO光ONUルーター機能オフとの比較

PR-500KI(フレッツ光・光コラボ)のルーター機能について調べていると、比較対象として「NURO光」のONUが話題に上ることがあります。しかし、この両者は根本的に仕様が異なります。
NURO光のONUはルーター機能オフにできない
NURO光でレンタルされるONU(F660A、ZXHN F660Tなど)は、基本的にルーター機能をオフにすることができません。そのため、NURO光の環境で市販のWi-Fiルーターを使いたい場合は、PR-500KIのケースとは逆に、市販ルーター側を「アクセスポイントモード(ブリッジモード)」に設定して使用するのが唯一の方法となります。
このように、契約している光回線の種類によって、ホームゲートウェイやONUの扱い方が全く異なるため注意が必要です。フレッツ光系列では「HGWをブリッジ化する」選択肢がありますが、NURO光では「追加ルーターをAP化する」一択となることを覚えておきましょう。
pr 500ki ルーター機能オフの具体的な手順

ここでは、PR-500KIのルーター機能(PPPoE機能)をオフにしてブリッジモードとして動作させるための、基本的な設定手順を解説します。この設定により、PPPランプが消灯します。
PR-500KIのPPPoE機能を停止する手順
- PR-500KIとパソコンをLANケーブルで有線接続します。
- Webブラウザを起動し、アドレスバーに「http://ntt.setup/」または「http://192.168.1.1/」と入力して設定画面にアクセスします。
- ログイン画面が表示されたら、機器設定用のパスワードを入力してログインします。(初期設定時にご自身で決めたパスワードです)
- 左側のメニューから「基本設定」>「接続先設定(IPv4 PPPoE)」を選択します。
- メインセッションやセッション2など、プロバイダ情報が設定されている接続先のチェックボックス(「接続可」の欄)を全て外します。
- 画面下部の[設定]ボタンをクリックして、内容を保存します。
これでPR-500KIはPPPoE接続を行わなくなり、事実上のブリッジモード(PPPoEパススルーが有効な状態)となります。この後、市販ルーター側でPPPoE接続設定を行ってください。
前述の通り、ひかり電話を契約中で、かつIPv6 IPoE方式(v6プラス等)で接続している場合、上記の設定画面がグレーアウトして操作できないことがあります。その場合は、ご自身で設定を変更することはできず、プロバイダへの連絡が必要となります。
総括:PR-500KIのルーター機能をオフ設定にするかどうかを考える前に
- PR-500KIのルーター機能はオフにできる
- 機能をオフにすることをブリッジモード化という
- 目的は主に二重ルーター状態の回避
- 二重ルーターは通信速度の低下や不具合の原因になる
- 機能をオフにするとPR-500KIは信号の中継役になる
- ルーターの役割は後段の市販ルーターに委ねられる
- 市販ルーターはルーターモードで設定する
- NTTはPR-500KIをルーターモードで使うことを推奨している
- サポート範囲やトラブルの切り分けが理由
- ひかり電話契約中は原則ルーター機能をオフにできない
- ただしプロバイダへの依頼で回避できる場合がある
- NURO光のONUはルーター機能をオフにできない
- 設定変更は自己責任で行う必要がある
- 市販の高性能ルーターのスペックを最大限に活かせる
- 最新のWi-Fi規格や高度な機能を利用可能になる