NTTのホームゲートウェイ「RX-600KI」を利用していて、「お気に入りの高性能なルーターをメインで使いたい」と考えたことはありませんか。そのためにrx 600kiのルーター機能をオフにしようとしても、具体的な接続設定で迷ってしまう方は少なくありません。
他社ルーターを接続した途端にWi-Fiつながらない状況に陥ったり、説明書を読んでも専門用語が多くて再接続できない方法を探したりと、トラブルはつきものです。特に、無線LANカードがない状態でどのように設定すれば良いのか、疑問に思うこともあるでしょう。
この記事では、そんな悩みを解決するために、RX-600KIのルーター機能を無効化し、お持ちのWi-Fiルーターを快適に利用するための手順と注意点を、初心者にも分かりやすく解説します。
- RX-600KIのルーター機能をオフにする具体的な手順
- 他社ルーターをブリッジモードで正しく接続する方法
- Wi-Fiが繋がらないなどトラブル発生時の解決策
- IPoE(v6プラス)接続における注意点と設定のコツ
rx 600kiのルーター機能をオフにする基本手順
- なぜルーター機能をオフにするのか?
- rx 600kiのルーター機能オフ接続設定
- 他社ルーター接続時のブリッジモードとは
- まずは公式の説明書で手順を確認しよう
- 無線LANカードがない場合のWi-Fi機能
なぜルーター機能をオフにするのか?

結論から言うと、自分で用意した高性能なWi-Fiルーターの性能を最大限に活かすために、RX-600KIのルーター機能をオフにします。RX-600KIと自前のルーターの両方でルーター機能が有効になっていると、「二重ルーター」と呼ばれる状態になります。
この状態は、インターネット通信が不安定になる大きな原因となります。言ってしまえば、家の中に司令塔が二人いるようなもので、データの流れが混乱してしまうのです。これにより、通信速度が低下したり、特定のWebサイトやオンラインゲームに接続できなくなったり、Webカメラなどの外部からアクセスする機器が使えなくなったりと、様々な問題が発生します。
このような理由から、快適なインターネット環境を構築するためには、ルーター機能を一つに絞る必要があり、一般的には多機能で高性能な市販のルーターにその役割を任せるのが最適解となります。
二重ルーターが引き起こす主な問題点
二重ルーター環境は、以下のようなデメリットを引き起こす可能性があります。
- 通信速度の低下
- ポート開放設定が複雑になり、オンラインゲームなどが制限される
- VPN接続やサーバー公開が正常に動作しない
- 一部のストリーミングサービスが利用できなくなる
これらの問題を避けるためにも、ルーター機能は1台に集約することが推奨されます。
rx 600kiのルーター機能オフ接続設定

RX-600KIのルーター機能をオフにするための特別な設定は、多くの場合、必要ありません。なぜなら、RX-600KIは初期状態ではPPPoE設定(インターネット接続のためのIDとパスワード設定)がされておらず、単なる「ひかり電話対応の終端装置」として動作するからです。
具体的な接続手順は非常にシンプルです。
- 壁の光コンセントから来ている光ファイバーをONU(回線終端装置)に接続します。(RX-600KIがONU一体型の場合は不要)
- ONUのLANポートから、RX-600KIの背面にある青色の「WAN」ポートへLANケーブルで接続します。
- RX-600KIの背面にある黄色の「LAN」ポート(1〜4のいずれか)から、自分で用意したWi-FiルーターのWANポートへLANケーブルで接続します。
基本的に、これだけでRX-600KIはルーターとしてではなく、データを素通しする「ブリッジ」として機能します。ただし、何らかの理由でRX-600KIにPPPoE設定が残っている場合は、管理画面から設定を削除する必要があります。
設定のポイント
RX-600KIは、何もしなければルーター機能がオフ(ブリッジモード)で動作するように設計されています。そのため、複雑な管理画面での設定は原則として不要であり、機器の配線を正しく行うことが最も重要です。ひかり電話の契約がある場合でも、この接続方法で問題なく利用できます。
他社ルーター接続時のブリッジモードとは

RX-600KIをブリッジとして使う場合、接続する側の他社製Wi-Fiルーターもルーター機能をオフにする必要があります。このための動作モードが「ブリッジモード(BR)」や「アクセスポイントモード(AP)」です。
これを忘れると、結局「二重ルーター」の状態になってしまい、通信トラブルの原因となります。ブリッジモード(アクセスポイントモード)にすることで、Wi-Fiルーターは自らのルーター機能を停止し、純粋にWi-Fiの電波を送受信するだけの「アクセスポイント」として動作します。
多くのWi-Fiルーターには、このモードを切り替えるための物理的なスイッチが背面に搭載されています。メーカーによって呼称が異なるため、注意が必要です。
メーカー | モードの名称 | 設定方法 |
---|---|---|
BUFFALO (バッファロー) | AP (アクセスポイント) モード | 背面のスイッチを「AP」に切り替える |
NEC (Atermシリーズ) | BR (ブリッジ) モード | 背面のスイッチを「BR」に切り替える |
I-O DATA (アイ・オー・データ) | AP (アクセスポイント) モード | 背面のスイッチや管理画面で設定 |
TP-Link | アクセスポイントモード | 管理画面(アプリ)で動作モードを変更 |
このように、スイッチ一つで切り替えられる製品もあれば、管理画面から設定変更が必要な製品もありますので、お使いのルーターの説明書を必ず確認してください。
まずは公式の説明書で手順を確認しよう

インターネットの接続設定を行う上で、最も確実な情報は「公式の説明書」に記載されています。RX-600KIと、ご自身で用意したWi-Fiルーターの両方の説明書を手元に準備してから作業を始めることを強く推奨します。
なぜなら、同じメーカーの製品であっても、モデルやファームウェアのバージョンによって、設定画面の項目や物理スイッチの仕様が異なる場合があるからです。思い込みで作業を進めてしまうと、小さな見落としが原因で接続できず、解決に多くの時間を費やすことになりかねません。
説明書を読むのは少し面倒に感じるかもしれませんが、結局はそれが一番の近道になることが多いです。特に「配線図」や「各モードの切り替え方法」のページは、最初に目を通しておくとスムーズに作業を進められますよ。
もし説明書を紛失してしまった場合でも、メーカーの公式サイトで製品型番を検索すれば、PDF形式でダウンロードできることがほとんどです。設定に行き詰まったら、まずは基本に立ち返り、説明書を確認する習慣をつけましょう。
無線LANカードがない場合のWi-Fi機能

RX-600KIは、標準の状態ではWi-Fi機能を持っていません。Wi-Fiを利用するためには、NTTからレンタルする「無線LANカード」を本体に挿入する必要があります。
逆に言えば、無線LANカードをレンタルしていない、または返却済みで手元にない場合、RX-600KIからWi-Fiの電波が飛ぶことは絶対にありません。この場合、Wi-Fi環境を構築するには、これまで説明してきたように、別途ご自身で用意した市販のWi-Fiルーターを接続することが必須となります。
そもそも、多くの方がRX-600KIのルーター機能をオフにして他社ルーターを接続するのは、この不足しているWi-Fi機能を補い、さらに高速で広範囲な最新規格のWi-Fiを利用したいという目的があるからです。
無線LANカードの取り扱いについて
もし無線LANカードをレンタルしているけれど利用しない場合は、RX-600KI本体から取り出しておくことで、無線機能を手動で停止できます。取り出したカードは、将来フレッツ光を解約する際に返却が必要となるため、紛失しないよう大切に保管しておきましょう。
rx 600kiのルーター機能オフ後のトラブル解決
- Wi-Fiつながらない時のチェックポイント
- IPoE(v6プラス)接続での注意点
- ルーターの電源を入れ直す正しい順番
- 再接続できない方法と試すべき対処法
- ルーター機能とWi-Fi電波強度は無関係
- 総括:rx 600kiのルーター機能オフ設定
Wi-Fiつながらない時のチェックポイント

設定は完璧なはずなのにWi-Fiにつながらない、という場合、最も見落としがちなのが「機器の電源を入れる順番」です。インターネット関連機器は、正しい順番で起動しないと、IPアドレスなどの情報を正常に取得できず、通信できない状態に陥ることがあります。
もし接続トラブルが発生したら、以下の順番で電源を入れ直してみてください。
正しい電源投入シーケンス
- まず、接続されている全ての機器(ONU、RX-600KI、自前のWi-Fiルーター)の電源をオフにします。
- ① ONUの電源を入れ、ランプが安定するまで2〜3分待ちます。
- ② RX-600KIの電源を入れ、ランプが安定するまで2〜3分待ちます。(特にひかり電話ランプが緑点灯するまで待つのが重要です)
- ③ 自前のWi-Fiルーターの電源を入れ、ランプが安定するまで2〜3分待ちます。
この「待つ」という時間が非常に重要です。焦らず、一つ一つの機器が完全に起動するのを見届けてから、次の機器の電源を入れるようにしてください。
多くの場合、この手順で再起動するだけで問題は解決します。他にも、LANケーブルが各機器の正しいポート(WAN/LAN)にしっかり挿さっているか、ケーブル自体に問題がないかも併せて確認しましょう。
IPoE(v6プラス)接続での注意点

近年主流となっている「IPoE(v6プラス)」方式でインターネットに接続している場合、RX-600KI側でルーター機能をオフにするための特別な設定は基本的に不要です。
IPoE接続は、従来のPPPoE接続とは異なり、IDやパスワードによる認証を必要としません。そのため、RX-600KIは単純に信号を通過させるだけの役割となり、ルーター機能について意識する必要がほとんどないのです。
ただし、IPoE接続で自前のWi-Fiルーターを利用するには、非常に重要な注意点があります。
IPoE接続の最重要ポイント
使用する自前のWi-Fiルーターが、契約しているプロバイダのIPoEサービス(v6プラス、transix、OCNバーチャルコネクトなど)に対応していることが絶対条件です。非対応のルーターではIPoE接続は利用できません。
対応ルーターであれば、RX-600KIに接続した後、ルーターの動作モードを「AUTO(自動判別)」にするか、管理画面から回線種別を自動で設定させるだけで、インターネットに接続できる場合がほとんどです。この場合、RX-600KIの設定は一切触る必要はありません。
ルーターの電源を入れ直す正しい順番

前述の通り、インターネット接続のトラブル解決において、「正しい順番での再起動」は最も基本的かつ効果的な対処法です。ここでは、より確実に行うための詳細な手順を解説します。
なんとなく電源を入れ直すのではなく、以下の手順を丁寧に行うことで、機器内に溜まった一時的な不具合や設定の誤認識がリセットされ、問題が解消される可能性が高まります。
トラブル解消のための完全再起動手順
- パソコンやスマートフォンなど、インターネットに接続している全ての端末をシャットダウンします。
- 自前のWi-Fiルーターの電源アダプタをコンセントから抜きます。
- RX-600KIの電源アダプタをコンセントから抜きます。
- ONU(RX-600KIと一体型でない場合)の電源アダプタをコンセントから抜きます。
- 全ての機器の電源が切れた状態で、最低でも5分間放置します。これは、機器内部のコンデンサなどに蓄積された電気を完全に放電させ、メモリをクリアにするために重要な工程です。
- 5分後、前述した「正しい電源投入シーケンス」に従い、ONU → RX-600KI → Wi-Fiルーターの順に、それぞれ数分ずつ間隔をあけて電源を入れ直します。
- 最後に、パソコンやスマートフォンを起動し、インターネット接続を確認します。
少し手間と時間はかかりますが、この丁寧な再起動はプロの現場でも最初に行うトラブルシューティングの基本です。接続がおかしいと感じたら、まずこの方法を試してみてください。
再接続できない方法と試すべき対処法

あらゆる手順を試しても再接続できない場合、いくつかの設定が複雑に絡み合って問題を引き起こしている可能性があります。そのような場合の最終手段として、「機器の初期化」が挙げられます。
ただし、初期化は全ての情報が出荷時の状態に戻るため、実行には注意が必要です。以下の表を参考に、段階的に対処法を試していくことをお勧めします。
ステップ | 対処法 | 注意点 |
---|---|---|
ステップ1:再確認 | 配線、ルーターのモード設定、電源投入順序を再度確認する | 単純な見落としが原因であることが多い |
ステップ2:再起動 | 「正しい順番での再起動」を丁寧に行う | 時間をかけて確実に行うことが重要 |
ステップ3:切り分け | 自前のルーターを外し、RX-600KIにPCを直接有線接続してネットに繋がるか確認する | 問題がRX-600KIにあるのか、自前ルーターにあるのかを判断できる |
最終手段:初期化 | 自前のWi-Fiルーター、またはRX-600KIを初期化する | 全ての再設定が必要になる。プロバイダから提供された接続情報(PPPoEのID/PWなど)を手元に用意してから行うこと |
RX-600KIやWi-Fiルーターの初期化は、本体にある小さなリセットボタンを、電源が入った状態で数秒間長押しすることで行えます。しかし、これは本当に最終手段ですので、まずはステップ1から3までを慎重に試してください。
ルーター機能とWi-Fi電波強度は無関係

時々、「ルーター機能をオフにしたり、ブリッジモードにしたりすると、Wi-Fiの電波が弱くなるのではないか?」と心配される方がいますが、結論として、ルーター機能のモードとWi-Fi電波の強度は一切関係ありません。
Wi-Fiの電波強度は、ルーター本体のアンテナ性能や出力といった物理的な性能、そして家の壁の材質や間取り、電子レンジなどの他の電波を発する機器といった環境要因によって決まります。
ルーターモードやブリッジモードといった「動作モード」は、あくまでソフトウェア的な設定であり、ルーターが受け取ったデータ(パケット)をどのように処理するかの違いに過ぎません。言ってしまえば、電波の強さがハードウェアの問題であるのに対し、動作モードはソフトウェアの問題なのです。そのため、ブリッジモードにしたからといって、Wi-Fiが届く範囲が狭くなったり、速度が極端に落ちたりすることはありませんので、ご安心ください。
総括:rx 600kiのルーター機能オフ設定
- RX-600KIのルーター機能オフは二重ルーターを避けるため
- 自前の高性能ルーターの性能を活かすことが目的
- 基本的にはRX-600KI側の設定は不要
- 機器を正しく配線することが最も重要
- 自前のWi-Fiルーターはブリッジモード(APモード)に設定
- モード切替はルーター本体のスイッチか管理画面で行う
- 作業前には必ず公式の説明書を確認する
- Wi-Fiがつながらない主な原因は電源を入れる順番
- 電源はONUからRX-600KI、自前ルーターの順に入れる
- 各機器の起動には数分間の待ち時間が必要
- IPoE(v6プラス)接続ではルーター側の対応が必須
- IPoEの場合、RX-600KIの設定は特に必要ない
- 無線LANカードがないとRX-600KIからWi-Fiは出ない
- ルーター機能のモードとWi-Fi電波の強度は無関係
- トラブル時は慌てず再起動や配線確認から試す